- 「いじめる側」と「いじめられる側」は完全に別人ではなく、両方を経験する「加害者兼被害者」タイプが一定数いることが研究で分かっています。
- 過去のいじめ体験やトラウマがあると、怒りや正義感がこじれて「ナチュラルに人を攻撃する大人」に変化するケースがあります。
- だからこそ「いじめの加害者=生まれつきの悪」ではなく、早めの支援・相談で「連鎖を止める」ことが超重要です。
はじめに
29歳インフルエンサーの男性が「9000人に奢った経験から、ナチュラルないじめっ子ほど過去の壮絶ないじめ体験を持っている」と語った――。 一見ただの炎上ネタっぽい発言ですが、「いじめる側といじめられる側が入れ替わる」「両方を経験する人がいる」という点については、実は世界中の研究で似た傾向が報告されています。もちろん全員がそうではありませんが、「過去の極限体験」がその人の攻撃性やSNSでの振る舞いに影響している可能性は、かなり現実的な話なのです。
事実5選
① いじめっ子の中には「元いじめられっ子」が一定数いる事実w
まず押さえておきたいのが、研究上よく出てくる「bully-victim(加害者兼被害者)」というカテゴリーです。 学校いじめの調査では、単なる「いじめっ子」「いじめられっ子」だけでなく、両方を経験している子どもたちが一定数いることが繰り返し報告されています。
このグループは、ただの加害者よりも衝動性や情緒の不安定さが強く、同時に不安・抑うつなどのメンタルリスクも高いことが分かっています。 つまり、
- 過去にいじめられた苦しみを抱えつつ
- その処理がうまくいかずに攻撃側にも回ってしまう
という「心に爆弾を抱えたタイプ」が現実に存在するわけです。 インフルエンサーの言う「ナチュラルないじめっ子ほど、実は過去いじめられている」というのは、雑な言い方ではありますが、「加害者兼被害者」が一定数いる」という点では研究と方向性がかぶっていると言えます。
② 被害経験があると「反撃としてのいじめ」に走りやすい現象
犯罪学やいじめ研究では、「被害者だった人が、のちに加害行動をとる」=victim–offender overlap(被害者と加害者の重なり)が指摘されています。
暴力やいじめを受け続けると、
- 「やられる側でいるくらいなら先にやる」
- 「強く見せないと、また標的にされる」
といった防衛的な攻撃性が身についてしまうことがあります。
こうした人は、自分では「ただ自分を守っている」「正論を言っているだけ」と思っていても、周囲から見ると「常に誰かを叩いている人」に見えがちです。 インフルエンサーの例でいう「100%自分が正しいと思い込んで、SNSで毎日人を傷つけている」状態は、まさにこの延長線上にある行動と解釈できます。
③ いじめの記憶は大人になってもメンタルに残り続ける…!
次に重要なのが、いじめ被害の長期的なメンタルへのダメージです。 各国の公的機関や医療サイトのまとめでは、いじめに関わった人(被害者・加害者・観客を含む)は、その後うつ病や不安障害、自傷行為、物質使用などのリスクが高まることが報告されています。
そして加害側だけど被害経験もある人(bully-victim)は、その中でも特に精神的な問題を抱えやすいことが分かっています。
つまり、
- 昔いじめられた記憶が未処理のまま
- 怒りや恨みだけが残り
- それをSNSや人間関係の中で「攻撃」という形で出してしまう
というのは、心理学的にはかなりありがちなパターンなのです。 「なんであの人、あんなに他人に厳しくて自分にだけ甘いんだろw」と思える大人の背後には、笑えないメンタルの傷が隠れているケースも少なくありません。
④ 「性格の悪さ」だけではなく、環境要因もデカい
インフルエンサーの話を聞くと、「いじめっ子=性格が悪い人」と切り捨てたくなりますが、研究では家庭環境や地域の治安、貧困、虐待などの逆境経験(ACE)が、いじめの被害・加害の両方のリスクを押し上げることが示されています。
日本でも「いじめ(いじめ=ijime)は社会問題」として長年研究されており、学校内の序列意識や同調圧力、成績や経済格差などが絡み合っていることが指摘されています。
要するに、
- もともと気質として攻撃的になりやすい人
- 家庭や地域で暴力・モラハラが当たり前だった人
- 学校や職場で「いじりが正義」とされる文化にどっぷり浸かった人
などが重なると、「本人は普通のコミュニケーションのつもりなのに、相手にはいじめとして刺さっている」というギャップが生まれます。 これが、いわゆる「ナチュラルにいじめる人」が生まれる土壌と言えるでしょう。
⑤ SNS時代、「正義のいじめ」が量産されるヤバい構造
現代ならではのポイントがSNSでの炎上・叩き・晒しです。 研究でも、従来のいじめとサイバーいじめは重なっており、どちらも経験している子どもほど心のダメージが大きいことが報告されています。
日本のいじめ問題でも、LINEグループからのハブり、裏アカでの悪口、スクショ拡散といった形の「静かな暴力」が深刻化していると指摘されています。
ここでややこしいのが、 「相手が悪いことをした」→「だから叩いてもいい」「むしろ叩くべき」 という“正義のいじめ”モードに入りやすいことです。
過去にいじめられた経験がある人ほど、
- 理不尽な加害者を許せない
- 「自分は正しい側だ」という感覚にしがみつきたい
という心理から、一線を越えた誹謗中傷に踏み込みやすいと考えられます。
本人は「100%自分が正しい」つもりでも、法律やプラットフォーム規約の観点では普通にアウト、ということも珍しくありません。 だからこそ、「過去つらい経験をした人ほど、他人を断罪するときは一呼吸おく」ことが大事になってきます。
質疑応答コーナー

正直、いじめられた人がいじめる側に回るって、そんなに多いもんなんすか??

「絶対多数」とまでは言えませんが、被害も加害も両方経験する人が一定数いることは、多くの研究で確認されています。いじめだけでなく、暴力や虐待などでも「被害者だった人がのちに加害者にもなる」という構造が見られます。だからこそ、「あの人いじめっ子だから性格が腐ってるw」で終わらせるより、「その背景に何があったのか」を一度疑ってみる視点も大事なんです。

友人が過去にいじめられてたって聞いたとき、どこまで踏み込んで話を聞いたり、助けたりしていいのか正直ビビりますよね??

それはすごく大事な感覚です。いじめの記憶はトラウマになっていることも多く、無理に根掘り葉掘り聞くと逆効果になる場合があります。自分一人で全部救おうとしないことも、すごく大切ですよ。

SNSで正義感ぶってひとを叩きまくってるひと見ると、「昔何かあったんだろうな…」って思いつつ、見ててしんどくなるんすけど、そういうのってスルーした方がいいもんなんすか??

相手の背景を想像するのは優しさですが、あなたの心がすり減ってまで付き合う必要はありません。まずはミュート・ブロックで自分の心理的な安全を確保する。「その人の過去に同情すること」と「今の加害行動を許すこと」は別問題です。この二つをごっちゃにしないのが大人の距離感だと思います。
まとめ
- 「ナチュラルないじめっ子ほど、実は元いじめられっ子」が一定数いるのは、研究的にも完全に的外れではありません。
- ただし全員がそうではなく、性格・環境・トラウマなど複数の要因が絡んだ結果として「加害の連鎖」が生まれます。
- だからこそ、早めの相談・支援と、SNSでの距離の取り方を覚えて、「いじめの連鎖を自分の代で止める」意識が超大事です。
もしこの記事を読んで「自分もいじめの記憶や、人をキツく責めてしまう癖でしんどいかも…」と思ったら、信頼できる人や専門家に相談してみるのも一つの選択肢です。 過去に何があっても、そこからどう連鎖を断ち切るかは、今からでも変えていけます。










































